花の乙女が出来るまで 22

「いってらっしゃいませ、ヒューイさま」  普段は砕けた口調だけれど、ヒューイットが出掛ける時と迎える時だけはプラコンらしい丁寧な物言いをする。  掃除が行き届いた家、手入れされた庭、窓辺に灯る優しい明かり。 「おかえりなさいませ」  ただいまー、とふざけて抱き着けば、子供あやすように柔らかくハグを返される。ヒューイットの…
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花の乙女が出来るまで 21

 強い風に驚いて、ぼんてんまるの触腕をぎゅっと握り返しているうちに、ペンタ達はオルフェア住宅街に到着していた。きょろきょろと辺りを見回してから、うつせみまるの背中を降りる。目の前には青い屋根の綺麗な家があり、そっとぼんてんまるを窺うと、ここだよ、というように頷いてくれた。 「こんにちは~」  門の外から、ペンタは声を掛ける。…
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花の乙女が出来るまで 20

 探偵ニコルが、相棒でありプラコンでもあるニールと共に次元を渡り、誰も気付かぬまま書き換わった世界で、ほんの少し時間を巻き戻し──その日、ヒューイットはカメラを片手にエルトナ大陸の夢幻の森へ来ていた。  青に染むこの森特有の白い花──夢幻大花がお気に入りで、特にクエストが無くてもよく訪れているのだ。今日もまたその美しい姿を求め…
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